「レシート整理のストレス」から学ぶ教材作成のヒント

 

 

· コラム

今年も確定申告の締め切りが迫ってきています。

皆さんはもうお済ませでしょうか?

今日はその確定申告の準備時に感じる「イライラ」の話をさせてください。

残念ながらそのストレスを解消するための話ではないのですが、そこから見えてくる「テキストや教材作成に役立つヒント」をご紹介したいと思います。

こんな経験ありませんか?

確定申告の準備の1つに「経費の集計」があります。

1年間にかかった経費を科目ごとにまとめる作業です。

経費を日々こまめに記入&管理している人もいる一方で、「1ヶ月分」とか「1年分」のレシートや領収書をまとめて集計しようとする人も多いのではないでしょうか。

私自身も個人事業主として働き始めた頃は「同じような作業はまとめてやったほうが効率が良い!」と思い、1年分のレシートを溜め込み、確定申告の期限ギリギリになって一気にエクセル入力をしていた…という経験があります。

ところがこの作業、ものすごく大変でイライラするのです。

おまけに目がびっくりするくらい疲れます。

1枚のレシートから

・いつ

・どこで

・何を買ったか

の情報を拾って、エクセルや管理ソフトに入力していく。

ただそれだけの作業なのに、この作業を何十枚と重ねると「キー!」と発狂しそうになる感じです。

皆さんにもそんな経験、ありませんか?

レシート集計のストレスはどこから来るのか?

単純に「平坦な入力作業は飽きる、疲れる」という要素はあると思います。

が、教材コンサルタントとしての私の見解はこうです。

レシートによって

買った「日付」「店名」「品名」の記載場所が

バラバラだから!

例えばこんな感じです。

「日付」を探したい。

けれど、その情報は、

Aのレシートには「左上」に書いてあるのに

Bのレシートには同じ場所にない。

「どこだ?」と目は目的の情報を必死に探す。

すると、「下の方」に書いてあったり、

中には「中段」に書いてあるものもあったり…

この作業、実は私たちが思っている以上に視力と集中力を酷使して浪費しています。

だから疲れるのです。

これがストレスの大元。

・・・

 

さて、本題です。

これとまったく同じことが「教材」でも起こっています。

例)

  • 第1章と第2章の構成が違う
  • ページ毎のレイアウトがバラバラ

もちろんそこに明確な意図があるなら良いのですが、そうではなさそうなテキストや教材をよく目にします。

すると、受講生には経費集計と同様のストレスがかかり、せっかくの学習意欲が簡単に削がれる要因になってしまうのです。

これは想像以上の由々しき課題です。

「ストレスを感じさせない教材」とは?

【鉄則】教材を作るときは「型」を作る!

受講生は教材を学び始めるとき、その中にある「型」や「パターン」を探します。

そして、無意識的に

「この情報はこの位置にある」

「この教材はこういう順番で学ぶものだ」

ということを理解し始めます。

ところが、その「型」があっさり崩れてしまったり、そもそもその「型」が見つからなかったりすると、受講生はストレスを感じ、一気に混乱に陥ります。

これが脱落や挫折のきっかけになってしまうのです。

逆に「型」を作ることで、ストレスなく欲しい情報にたどり着けるだけでなく、受講生の中に「学ぶリズム」を作ってあげることができます。

例)

  • どの見開きも、左側のページには説明があって、右側には事例が書いてある
  • 最初に解説文を読んだら、次はワーク、最後に確認テスト

といった「ある一定の型」を通して、講師が意図する「理想的な学び方」を受講生にインストールすることにも繋がるのです。

すると、受講生は「自ら学ぶ」ができるようになっていきます。

こうすることで講師の労力は軽減され、講座運営がぐっと楽になります^^

「型を作る」

ほんの少しの工夫ですが、こうして受講生の学びは加速し、結果として、講座や研修の成果が引き上げられていく… というわけです。

皆さんの教材・テキストに「型」はありますか?

ぜひ自分の「型」を見つけて取り入れてみましょう!

今日は「確定申告のレシート」をネタに、教材作成に役立つヒントをお伝えさせていただきました。

「必要な型」は、講座のタイプ・扱うテーマ・ゴール等によって様々です。

「自分の講座や教材にはどんな “型" が必要?」を探りたい方は、コンサルや講座をご利用ください!

個別具体の状況を共有いただいたうえで提案させていただきます。

所長・矢澤典子