「教材の役割」が感覚的にわかる話

· コラム

こんにちは! 「教材の力」で人材育成の課題を解決する教材戦略アカデミーの矢澤です。

私は普段、教育サービスを展開される事業者様向けに、教育プログラム(講座や研修)の構築、メソッドの体系化、カリキュラム設計、テキスト・ワークブック・マニュアル等の制作のお手伝いをしています。

今日のコラムのテーマはこちら。

「教材の役割」が感覚的にわかる話

「教材って作ったほうが良いのでしょうか?」

「どれくらいの量や完成度を追求したら良いのでしょうか?」

そんなご相談をいただくことがあります。

確かに教材は「正解」がよくわからないもの。

  • 仮に教材がなくても講座や研修は開催できるのでは?
  • 「ない」よりは「ある」ほうが良い…という程度じゃないの?

という認識は、私自身も間違いではないと思っています。

 

それでもなぜ「教材」にフォーカスするのか?

その理由について、今日のコラムでは「教材の役割」が感覚的にわかる例を2つ紹介したいと思います。

一見「教材と何の脈絡もない話」に感じられるかもしれませんが、「なるほど、そういうことか!」と腑落ちすると思いますので、ぜひ読み進めていただきたいと思います。

01|コロナの超初期に行政や企業がやろうとしていたこと

長かったコロナ禍も今となってはだいぶ遠い記憶になってきていますが、当時を振り返って思い出したことがありました。

 

それは「行動変容」という言葉がしきりに使われていたこと。

「外出を8割削減」「外出時はマスク着用」

「毎日体温を測って、37.5℃以上ある場合は会社に報告(出勤停止)」

など、感染拡大の芽を摘もうと、このような指針が示されていたと思います。

意図や狙いはもちろんわかるしそんなに難しいことではないので、誰もが普通に徹底できそうなことに思えました。ですが、私たちはそう簡単には行動を変えられませんでした。

そんな中、従業員に対して「①体温計、②体温記録シート、③マスク、を配る」という企業が出てきました。

「目的も、やる方法も、自分にとっての意味やメリットもわかっているけど、実践できない・定着しない」という従業員たちに対して、「どうすれば行動できるか? 徹底できるか?」と考えての対応だったと思います。

至ってシンプルな発想です。

そう、これです!

上の文章をそのまま講座や研修などの「教育サービス」に置き換えてみてください。

「目的も、やる方法も、自分にとっての意味やメリットもわかっているけど、実践できない・定着しない」

結果、思うような行動変容が起こらない。

講座や研修でもまったく同じことが起きがちですよね?^^

そんなネックに対して「これがあればわかりやすいんじゃない? やりやすいんじゃない? 続けられるんじゃない?」と、行動を起こすきっかけとして提供するのが「教材」です。

実際のところ、会社が体温計、体温記録シート、マスクを配らなくても、ちゃんと自分で準備したり工夫して行動できる人はいます。

でも、できない人のほうが多い。できている人も、そこにストレスや負担を感じているかもしれない。

ならば「それを促そうとする側=講座や研修の主催者側」が、そのための「環境」や「小道具」を用意して提供してあげたほうが断然親切で、お互いにとって安泰だということです。

「学んでね」「やってみてね」と受講生に伝えるのは簡単。

でも、実際に学んで・実践してみないと何も起こらない。

それを「受講生任せ」にするのではなく、主催者側が「この道具を使って、こうやるのが良いよ」という環境をどれだけ提供できるか。

ここに、教材の大きな役割があります。

02|とあるドラッグストアがやろうとしていたこと

すでに1つ目の例でだいたいのことを説明できていると思いますが、もう1つ。

先日、ドラッグストアで買い物があったのですが、普段行くところとは別のチェーンの店舗に行きました。

すると、店舗の入口にこんな立て看板がありました。

「一緒に働きませんか? パート・アルバイト募集中!」

店内の壁に求人のポスターが貼ってあるケースはよく目にしますが、店舗入口の目立つ場所に「立て看板」で掲示されていたので、よっぽど「緊急」あるいは「注力している」ということなのかなと思いました。

と思って、看板をよくよく見てみると、看板の下に透明のケースが付いていて、そこに何かが入っていることに気づいたのです。

入っていたのは「応募用の履歴書フォーマット一式が入った封筒」でした。

そう、これです!

一般的には「求人してるから応募してね。詳細はこちら→」でQRコードや検索窓を記載するまでのケースが多いのではないかと思います。

さらにもう一歩踏み込んで、QRで読み込んだWebページに行くと、「履歴書フォーマットがダウンロードできる」「専用応募フォームがある」などの工夫があるかもしれません。

でもこのドラッグストアは違いました。

「ここに用紙があるから、いますぐ持って帰って記入して、応募してね」という「この瞬間のアクション」を促していました。

もうお分かりになると思いますが、これもそのまま講座や研修などの「教育サービス」に置き換えられますよね。

「テキストや資料・動画などが提供されるのはありがたい」

「でもPDFで配布されても、書き込めないから不便。ファイルはスマホやPCの中にしかないから存在を忘れがち」

「書き込みたいなら自分でプリントアウトすれば良い。でもちょっと手間で面倒」

これと同じです。

これは決して「教材をデジタル形式で配布してはいけない」ということを言っているのではありません。

「受講生がどういう人たちで、どんな環境を提供すれば、気持ちよくストレスなく、狙うゴールに対して行動できるのか」を考えることが重要だということです。

このドラッグストアの場合も、「正社員や契約社員募集」であれば、こうしてわざわざ紙の履歴書フォーマットを配布することはしていないかもしれません。

「パート・アルバイト」というターゲットを想定すると、「紙の履歴書」のほうが馴染みやすい・行動を促しやすいと判断されたのではないかと想像します。

以上、「教材の役割」が感覚的にわかる話を2つ紹介しました。

「教材=受講生に適切なアクションを起こさせるための小道具」を考えるとシンプルかもしれません。

こんな視点で教材を考えてみると、また新しいアイディアが浮かぶのではないかと思います。

参考にしてみてください!

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