「教材の見た目」を洗練させるためのチェックリスト

· コラム

こんにちは! 「教材の力」で人材育成の課題を解決する教材戦略ラボの矢澤です。

私は普段、教育サービスを展開される事業者様向けに、教育プログラム(講座や研修)の構築、メソッドの体系化、カリキュラム設計、テキスト・ワークブック・マニュアル等の制作のお手伝いをしています。

今日のコラムのテーマはこちら。

「教材の見た目」を洗練させるためには?

「自分で作ったテキストやレジュメの見た目が、なんだか垢抜けない…」

そんなモヤモヤや自信のなさを解消するための「7つのヒント」をお届けします。

ぜひ今すぐ参考にしてみてください!

「見た目」を洗練させる7つのヒント

  1. フォント
  2. 行間
  3. 余白
  4. 罫線
  5. イラスト・写真
  6. レイアウト

1)フォント

「フォント」=活字の種類のこと。

明朝、ゴシック、メイリオ…などです。

あるあるNG
  • 複数のフォントが入り混じっている
  • そもそも「洗練された印象ではないフォント」を使っている
この2つが「垢抜けない」と感じさせる二大要素。
洗練させるためには
  • 原則、使うフォントは「1種類」に決めて、1つの教材内(または1つのシリーズ内)で統一する
  • 丸文字などの「ポップな印象」を与えるフォントは使わない
この2点を見直すだけで、紙面から受ける印象はだいぶすっきりします。
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2)色

紙面に使われている「色」も重要な要素です。

うっかりやってしまいがちなものとして、以下の3つがあります。

あるあるNG

  • 重要な部分を「赤文字」にする
  • 重要な部分に「色マーカー」をひく
  • 見出しを目立たせるために「背景色」をつけたり「装飾」をつける
こうして作られた紙面は「カラフル!」と言えば聞こえは良いですが、要は「使われている色の数」が多すぎることにより、「ガチャガチャうるさい印象」を受けます。
こうならないためには、以下の点を心がけましょう。
  • 1つの教材(テキストや資料)の中で使う「色数」は「最大3色まで」と決めて、それ以外の色は使わない(登場させない)ようにする
  • 「重要な部分」や「強調したい部分」にも「あらかじめ決めた3色」の中の1つを使う。または、色を使わない方法にする(例:下線をひく、太文字にする…など)
  • 色のバリエーションが足りず色数を増やす必要がある場合は、「3色のいずれかの色の濃淡を変えた色」にする
 
あらかじめこのような「色使いの原則・基本」を自分の中に持っておくと、作る作業も進めやすくなります。

3)行間

普段あまり意識することがないかもしれませんが、「行間」も「紙面の印象」を大きく左右する要素の1つです。

あるあるNG

  • 狭すぎる行間(→文字が詰まっていて読みにくい)
  • 広すぎる行間(→間延びした印象で読みにくい)
  • バラバラの行間(→「内容のまとまり」が認識しづらくて読みにくい)
「洗練された印象の紙面」にするためには、以下の「メリハリ」を意識しましょう。
  • 1つのまとまり(例:1つの文章)における行間は「無駄に空けすぎない」
  • 複数の要素を併記・列挙する場合は、内容の「区切り位置」に当たる行間を「広めにとる」(または1行空ける)
「内容のまとまりがわかりやすい」「内容の区切り位置が明確」なのは、良い教材の条件。
受講生がそこに書かれた情報を理解してインプットする際の「頭の中の整理」をサポートできるからです。

4)余白

あるあるNG

  • 余白は詰める
  • 余白があったら何かで埋める

これらは「紙面の余白」に関するもっとも大きな「思い込み」です。

合計ページ数に制限があったり、印刷費などの経費のことを考えると「ページ数を圧縮しなければ」という事情は確かにあるかもしれません。

ですが、紙面の余白は「悪」ではなく、むしろ「善」です。

受講生はこの余白を「メモ欄」として使えます。

また、新しいことを学ぶ受講生があっぷあっぷしないための「頭や心の余白」にもつながります。

紙面が「垢抜けないな」と感じるときは

  • 余白を意識的・意図的に入れる(確保する)

をしてみてください。

これだけで紙面から受ける印象に「余裕」が感じられるようになります。

5)罫線

表やグラフを作るとき、また、写真やイラストの外枠などに、「罫線」を使うケースはよくあると思います。この罫線も、紙面の印象に大きく影響します。

あるあるNG

  • 罫線の太さや色を「デフォルト設定」のまま使う

「なんだか野暮ったいな」「ごちゃごちゃしてるな」と感じるときは、以下の調整をしてみましょう。

  • 罫線の「太さ」を「細め」にする(例:「1.0P→0.5P」に変更)。場合によっては「破線」なども◎。
  • 罫線の「色」を「薄め」にする(例:「真っ黒→グレー」に変更)
実際にやってみると一目瞭然ですが、「洗練された感じ」が一気に出ます。

6)イラスト・写真

あるあるNG

  • 「わかりやすさ」を考慮して、イラストや写真を多用する
  • とにかく「具体的で」「詳細な」のイラストや写真を使う
これも「なんだかごちゃごちゃしている…」と感じさせてしまう要素です。
 
もちろん「そのイラストや写真でないと説明できないこと」はあるので、それらの画像はそのままでOKです。
ですが、そうではない「なんとなく余白を埋めるため、アイキャッチのため」といった目的で使う画像については、以下の点を参考にしてみてください。
  • イラストや写真の「抽象度を上げる」(例:シルエットアイコンにする)
  • イラストや写真の「色をグレースケール(≒モノクロ)にする」
  • イラストや写真の「透明度を上げる」(例:色の透明度を0%→50%にする)
こうすることで、画像から受ける「圧」、画像の「存在感」がだいぶ弱まり、すっきりとした印象になります。

7)レイアウト

あるあるNG

  • ページやスライドごとにレイアウトがバラバラ
過去に作った複数の資料からページやスライドをコピペして使う…などはよくあることだと思います。
ですが、「レイアウトがバラバラ」という要素は、「受講生の頭の中をごちゃごちゃさせる要因」になりえます。(=知識や情報の整理・収納がしにくくなる)
そのため、PowerPointでもWordでも、全ページやスライドのレイアウトはできる限り「統一」させましょう。

具体的には以下の3つの点を統一できるだけでも、「洗練された感じ」になります。

  • 全ページ・スライドの「見出し」「本文」の文頭(文章の一文字目)の位置を揃える
  • 全ページ・スライドの「上下左右の余白」を統一する(=全ページ・スライドの本文の「配置面積(スペース)」と「配置場所」を統一する)

もちろん「全部を全部統一する」のは無理なので、そこを追求する必要はなく「できる限り統一する」でOKです。

また、当然「意図的にレイアウトを変える」は問題はありません。ここで注意したいのは、「特に意味や意図がないのにズレている」「本来は同じレイアウトで良いはずなのに統一されていない」という部分。これらが「垢抜けない要素」に繋がるので、注意するようにしましょう。

まとめ

以上、「見た目」を洗練させるヒントとして、以下の7つのポイントを紹介しました。

  1. フォント
  2. 行間
  3. 余白
  4. 罫線
  5. イラスト・写真
  6. レイアウト
少しの意識と工夫で「教材の見た目」「紙面から受ける印象」は大きく変えることができます。
ぜひこの「プラス ひと手間」を大事にしてみてください!
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